Newsletter Vol.8

フランス特集:解散総選挙という大胆な賭けに出たマクロン大統領

皆様、こんにちは!

「GCN 海外ビジネス情報」第8回目は、フランスのニュースをお届けします。

6月上旬に欧州連合(EU)加盟27カ国で実施された欧州議会選挙の結果、フランスでは極右政党が歴史的勝利を収め、一方で大敗した与党連合を率いるマクロン大統領は国民議会(下院)を解散し、総選挙に踏み切りました。

選挙を1週間前に控え実施した世論調査では、欧州連合(EU)懐疑派で反移民の極右野党・国民連合が一貫してトップを走る。一方、中道の与党連合は苦戦。議席を半分以下に減らして大敗するという予想もあり、総選挙に踏み切ったマクロン大統領への批判が身内から相次いでいます。

また、総選挙の結果、親EUの大統領と極右(すなわち反EU)の首相という最悪の「ねじれ」が生じれば、フランスの内政混乱ひいてはEUにおける遠心力の増大につながるかもしれない。

そうした懸念から、ユーロを手放す動きが強まっていり、 金融市場にも動きが出ており、解散・総選挙の決定以降、フランスの国債利回りは上昇し、ユーロ圏のベンチマークであるドイツ国債との利回り格差(スプレッド)が拡大しました。
常に極端なシナリオを織り込もうとする金融市場では、市場の先走りではあるが、2009年以降に繰り返されてきた欧州債務危機の記憶から「極右・極左政党の国政入りはEU/ユーロ離脱懸念に直結」との連想を抱きやすく、今回もフランスのEU離脱(フレグジット)懸念が浮上しています。

国民議会が極右勢力に制圧される一方、大統領は中道右派という「ねじれ(コアビタシオン)」状態に陥る可能性が高い。そんな中、マクロン大統領は仏紙フィガロとのインタビューに応じた際、総選挙で極右政党が勝利しても辞任しないと明言。

投票を今週末に控え、その行方に大きな注目を集めているフランス。今後どのように変化していくのか。各所、専門家の見解を見ていきたいと思います。

専門家が予測するフランス経済と今後の動向について PICK UP
五輪開催直前に総選挙。フランスで今何が起きているのか、どうしても気になる5つの疑問下院総選挙に踏み切った後の主要メディアの記事見出しを読むと、ブルームバーグ(6月15日付)が「仏大統領が賭けに出た」、日本経済新聞(6月17日付)は「仏選挙、世界市場の火種に」などと、五輪開催を控えた世界の大国に似つかわしくない不穏な表現であふれ返っている。

フランス総選挙の危険な賭けにフランス国債市場が動揺:欧州債務危機と似た構図に(NRI)
仮に、総選挙で国民連合が勝利して第1党に浮上し、さらに右派の連携が進めば、同党から首相が選任される可能性が出てくる。フランスの政治制度では、大統領は議会の多数派の支持を念頭に首相を指名することになっているためだ。大統領と首相は右派のねじれ状態である「コアビタシオン(共存)」が現実味を増してくる。そうした状態は、1997年以来のこととなり、政策運営は一層困難となる。

フランスはいざ解散・総選挙へ~現実味を帯びる極右首相誕生~(第一生命経済研究所)
このままの勢いで極右政党が下院の第一党となれば、マクロン大統領は極右政党から首相を選ばざるを得なくなる恐れがある。フランスでは国家元首である大統領が政治の中心であるが、極右首相が誕生した場合の政権運営の行方は未知数だ。EUの中心国フランスでも極右主導の政権が誕生した場合、EUの屋台骨を揺るがしかねない。フランスとEUの未来を左右する運命の選挙、フランスの政局展開から目が離せない。


欧州の「次」決める7月ーマクロン氏の危うい賭け(日本経済研究センター)
1カ月前には予想しづらかったことだが、この7月は欧州政治にとって歴史的に重要な月になる。英国のスナク首相とフランスのマクロン大統領が相次ぎ、議会下院の解散を発表した。7月に選挙の結果が出るが、ともに政権与党が厳しい状況にある。欧州連合(EU)のゆくえを左右するフォンデアライエン欧州委員長の再任の可否も、早ければ7月に欧州議会での投票で決まる見通しだ。

フランス下院選公示、極右の国民連合が政策の大枠発表(JETRO)
RNのジョルダン・バルデラ党首は17日、日刊紙「ル・パリジャン」とのインタビューで、RNが国民議会で単独過半数を獲得した際に実施する政策の大枠を発表。購買力、治安、移民の3つが主要なテーマとしました。

グローバル・エリートの盲点-ブレグジットを思い起こさせるフランスの政治情勢-(ニッセイ基礎研究所)
欧州議会選後のマクロン大統領の解散・総選挙の決定で、フランスの政治が突如として世界の金融市場のリスクとして浮上した。解散・総選挙の決定以降、フランスの国債利回りは上昇し、ユーロ圏のベンチマークであるドイツ国債との利回り格差(スプレッド)が拡大した。リスク評価の下方修正を示す動きとなった。

日経平均712円安の発火点、金融市場を揺さぶった「フレンチショック」はなぜ起きた?(JB Press)
総選挙前の各種世論調査によれば、エマニュエル・マクロン大統領が率いる中道の与党・再生(Renaissance)が大敗を喫する一方で、右派政党の国民連合(RN)が第1勢力となる展開が確実となっている。新内閣への不安からフランスはトリプル安、EUの混迷リスクがグローバルな株安に。
さらに週明け17日にこの流れが日本へと波及、日経平均株価は2%以上の下落となり、節目となる3万8000円台を割り込んだ。「フレンチショック」が世界の金融市場を揺らしたのだ。

EU離脱観測まで浮上、金融市場が不安視するフランス総選挙とその後(JBpress)
解散発表後、ユーロ安が目立っているが、フランス総選挙で極右が躍進、大統領と首相の所属政党が異なるねじれ状態になり、EUへの遠心力が働くという見方が要因といえる。「フレグジット(フランスのEU離脱)」は市場の先走りだが、長い目で見れば、EUの政策運営が右傾化し、内向きになっていく兆候と言える。

弊社では「グローバルで成功する企業を一社でも増やす」というミッションをかかげ、海外ビジネスの様々なサポートを提供しております。もしEU市場や、その他海外市場への進出・拡大をご検討されている企業様がございましたら、海外ビジネスの現場を知り尽くしているプロ人材が、貴社の伴走者としてサポートいたします。

ヨーロッパ現地に在住しているものも含め、EU市場に精通したプロフェッショナルも多数います。お気軽にお問い合わせください。

2024年6月28日発行

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