現地情報:台湾

基本情報
面積:  3万6千平方キロメートル(九州よりやや小さい)
人口:  約2,342万人(2024年1月)
主要都市:台北、台中、高雄
言語:  中国語、台湾語、客家語等
宗教:  仏教、道教、キリスト教

■経済関係
対台貿易(2023年、財政部統計処)
ー貿易額
 輸出 443.3億ドル
 輸入 314.4億ドル
ー主要品目
 輸出 機械・電子部品、基本金属・製品、プラスチック・ゴム、化学品
 輸入 電子部品、一般機器、化学品、金属・金属製品、光学・精密機器
日本からの直接投資
6.2億米ドル(2023年、台湾経済部投資審議委員会)

■2024年の台湾の行方は?
世界的な選挙イヤーと呼ばれる今年。日本でも注目された最初の選挙である台湾の総統選挙が1月13日に投票が行われました。選挙の結果は、 事前の予想通りに与党・民進党の頼清徳氏が550万票を超える票を獲得し当選しました。 今後の台湾は、中国に対して強硬的な姿勢をとる与党・民進党の頼候補が勝利を収めたことで、中国との緊張関係が続くことになることが予想されます。今後も世界的に台湾有事のリスクが強く意識されていくことでしょう。 また、同氏は親米のスタンスを持っているため、近年、台湾が重視してきた米国との連帯はさらに強いものになるでしょう。経済的にも米国との協調路線は変わらず継続されることが予想されます。
新しい総統のもと親米反中のスタンスが継続されると予想されますが、11月の米国の大統領選挙の結果によっては、難しいかじ取りが求められるかもしれません。

また今回の選挙で注目すべき点として、第三勢力の台湾民衆党の柯文哲氏の躍進があります。柯氏は若者や与党・民進党の国内政治に批判的な人々から支持を集め、予想よりも存在感を示しました。民進党の頼清徳氏558万6019票、国民党の侯友宜氏467万1021票に対し、民衆党の柯文哲氏 369万466票で、第三勢力としてかなりの得票だと思います。
同時に実施された立法委員選挙では与党民進党が議席を減らし、国民党が第一党となりました。その中で柯氏が率いる民衆党も議席を8に増やし、立法委員での存在感も増してきております。過半を握れなかった与党民進党は、民衆党へ協力を仰ぐ形となることが予想され、今後民衆党がキャスティングボートを握る可能性が出てきております。 柯氏は「アメリカとも中国とも関係をもつ」方針で、40歳未満の若年層は4割超が柯氏を支持したほか、高学歴・高所得者層からも票を集めました。台湾政治の今後の大きなうねりとなっていくのか、注目していきたいと思います。